先日、安城市にある『安正寺』さんに、イロハモミジの処置に伺いました。
このイロハモミジは、山門と本堂の間に位置していています。
参拝者は、山門をくぐって傘のような樹形のこのモミジの下を通って本堂でお参りすることになり、皆さんに親しまれています。
傘のような樹形なので、夏場はウォーキングの方に広がった枝で日陰を提供して、木漏れ日の休憩場としても利用されています。
また、秋に真っ赤に紅葉すると知られていて、このモミジの種の採取に育苗業者の方が来ていたそうです。
ただ、以前の工事で根を切られてしまった事や長年の踏圧などから、枯枝が目立つようになってきて、傘の様に広げていた枝もだんだんと小さくなってしまったとの事でした。
樹勢の低下に伴い、紅葉も以前ほど赤くならなくなってしまったそうです。
お寺の方が大切にし地域の方に愛されているモミジを、少しでも長く残せるように今回処置をしました。
暦だともう秋ですが、日中の日差しは依然として強いので、その対策をしました。
以前の様にモミジの枝葉が茂っている時は、太陽光は葉で遮られて幹や枝に直接には当たりませんが、枝が枯れてくることにより、元気な枝にも直射日光が当たるようになって『日焼け』を起こして枯れてきてしまいます。
この事により、ますます枯枝が増えていって、さらに直射日光が当たりやすくなる悪い連鎖となります。
また、幹や枝が枯れてくると、葉に養水分が届きにくくなるため、葉も傷みます。
葉が傷むと綺麗に紅葉しにくいので、近年紅葉の色づきが悪いのはこの影響もあると思います。
モミジを上部から見てみると、日光が当たる部分は枯れてしまっています。
これ以上枯れてしまわないように、幹巻をして保護しました。
また、ドライミストを設置して葉焼けを防ぐようにもしました。
皆さんに愛されているこのモミジが、少しでも長生きしてくれるのをお祈りいたしております。
ありがとうございました。


