始まりの庭
この庭のお施主様は老夫婦二人でお住まいでした。庭を造ったのは、今から14年ぐらい前です。奥様の足が不自由になってしまって旅行に行けないので、庭を見て楽しめるようにとの事で、元々あった庭を改造しました。工事していた当時、私はまだ関東で勤めていて、ちょうど連休で愛知に戻ってきた時、庭杉の仕事を手伝ったのを覚えています。奥様が私を呼ぶときに『お兄ちゃん』と言ってくださり、私が庭杉に帰ってきて毎年剪定に伺うようになってからも、『お兄ちゃん』と昔と変わらない呼び方で呼んでくれました。昨年度剪定している時も、濡れ縁に腰かけて、「この庭を造った時は、お兄ちゃんも色白で痩せていたねぇ。」と話をしていました。今年度、剪定に伺おうと思って電話を掛けたのですが、なんど掛けても繋がりません。おかしいと思ってご自宅に伺ってもお留守でした。体調を崩して入院しているのかなと思っていたら、後日奥様が亡くなっていたことを近所の方にお聞きしました。去年まではあんなに元気だったのに。。。。心よりご冥福をお祈りいたします。
私がこの仕事を始めてから手伝った庭杉での最初の庭と言うこともあり、この庭の持つ雰囲気が大好きでした。今後この庭がどうなるのかわかりませんが、私の心に残り続けると思います。
サルスベリも元々あったものです。
あられこぼし。曲線のリズムが好きです。
反対からの眺めです。
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