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マツ材線虫病

よく「松くい虫」と呼ばれているのは、ほとんど「マツ材線虫病」のことを言います。

多くの方が勘違いしているのは、「松くい虫」と言う名前から、病気を引き起こすのが「昆虫や毛虫」だと思っていることです。まず、「松くい虫」こと「マツ材線虫病」は体長1mmぐらいの線虫「マツノザイセンチュウ」が引き起こします。日本でよく見かけるクロマツやアカマツはマツノザイセンチュウに抵抗性が低く、感染したら急速に衰弱し枯死します。

さらにマツ材線虫病には、もう1匹の主役がいます。マツノザイセンチュウは急速にマツを枯らす恐ろしい病原ですが、移動手段がありません。マツノザイセンチュウだけなら、被害木は広がらないはずです。ここで登場するのが、「マツノマダラカミキリ」です。このカミキリは弱ったマツに産卵し、羽化、脱出をします。マツノザイセンチュウに感染して弱ったマツに、マツノマダラカミキリが産卵すると、羽化するときにマツノザイセンチュウがマツノマダラカミキリの体内に侵入し、いっしょに脱出します。これで、マツノザイセンチュウが移動手段を得るわけです。脱出したマツノマダラカミキリは性成熟するために、元気なマツの枝をかじらなくてはいけないのです(後食と呼ぶ)。この後食の時に、元気なマツにマツノザイセンチュウが進入し、衰弱、枯死します。その衰弱したマツに、またマツノマダラカミキリが産卵するというサイクルができあがってしまいます。このサイクルを止めるには、マツ材線虫病で枯れたマツは、マツノマダラカミキリが羽化、脱出するまでに伐倒、処分しなければいけません。枝も2cm以上のものは、カミキリがいる可能性があるので注意が必要です。枯れて倒したマツを捨てずに、そのまま放置しているのはもってのほかです。愛知県では感染木は年内には枯れてしまうので、暖かくなるまでには処分しましょう。

治療方法は感染してしまったら、現代の樹木医学ではありません。あくまでも予防しかできないのです。枯れて放置してあるマツを見かけることがあるので、より多くの人にマツ材線虫病について知ってほしくて、長々と書いてしまいました。

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